ボリビア滞在もあと4日ほど。その後ペルーへ行ってから日本に戻ります。
この間、貴重な経験をたくさんしてきましたがなかなかブログをかけずにいました。
先々週はペルー、プーノでの打ち合わせの合間に、
4泊5日でアルパカを放牧して暮らしているニットのつくり手を訪ねに行きました。
アルテアイマラに属するASAMIC(アサミック)というグループです。
案内人はASAMIC代表のルシアさん。37歳。彼女の村chua(チュア)は標高4200〜4500M。
もうすぐむこうの山を越えればボリビアという国境に近いところです。
この地域の人たちは、アルパカやリャマ、羊を放牧して生活しています。標高が高すぎて農業はできません。
ルシアさんはお母さん、姉妹たちと一緒にアルパカを飼っていました。
100頭以上いたと思います。
(ルシアさんはシングルマザーで高校生になる女の子がいて、プーノの町で教育をさせたいと、半分は娘と一緒にプーノに住んでいます。
この村には電気が来ていないので、太陽とともに起きて、日が沈んだらロウソクやランプで明かりを取りながら、8時ごろには寝るそうです。
アルパカは、朝8時すぎから夕方まで、囲いから出て、ただひたすら草を食んでいます。
一般的には、雨季は、家から離れてさらに山の上に行って、そこの草をアルパカたちに食べさせ、人間は小さな山小屋で寝泊りをしてすごすそう。
そして乾季には家の周りなどさらに低地のところにとっておいた草地でアルパカを放牧しているそうです。
ルシアさんファミリーの場合は、割と近くで土地を使い分けていました。
人間は、時折アルパカが遠くへ行こうとする時に、おいかけます。
乾季にアルパカの食べる草が足りないことがないように、注意しなければいけません。
アルパカはある程度湿気があるところで育ちます。
ここも山から水が流れていて、小川が幾重にも分かれていたり、
水溜りがけっこうあるので、村の人たちはとても寒い日でも、はだしにゴムサンダルで放牧をしています。。。
ルシアさんファミリーのメインの家はこんな感じです。実はルシアさんのお兄さんは今、カパソ郡の郡長さんです。
そのお兄さんの部屋というか家もここにあります。兄弟姉妹、親など、各自が個別に小さな家を建てています。
私が2泊させてもらったベッド。
毛布は7枚ぐらい。重たくて寝返りはうてません。
だけど、温かく眠らさせてもらいました。
乾季用の土地は谷の反対側にあり、家は一軒だけありました。今の時期はお姉さんとその息子さんがそちら側にいて、夜アルパカを守っています。
谷をはさんで、大声で話し合ったりできます。
食べるものは、じゃがいもなどの野菜とアルパカの肉を使ったお料理。それにパンなどを焼いているそうです。
野菜類は農業をしている地域の人々と物々交換(トゥルケという)をしたり、
近くの町にアルパカの毛や肉を売りに行き、そのお金で市場で買います。
アルパカの肉は、高タンパク低カロリー、コレストロール0という優れものです。
乾燥させて保存もしています。
台所の建物もありますが、普段は外で調理しているそうです。
燃料は、植物の根やアルパカの糞など。
小麦粉をこねてパンを作っているところです。
揚げパンです。これがとてもおいしいんです。
私もジャガイモの皮をむいたり、、できることはお手伝い。
この包丁。年季が入っています。その他、鍋もたらいもすべてすばらしい年季の入りぶりです。
Chua村の人口は、、、保健センターみたいなところがあり、そこに張り出してあった人口調査によると、132人。
でも実際はもっと少ないそうです。。
ここに小学校まではあります。
Chua村の地図です。
Chua村の編み手さんたちはこの保健センターもある村の中心に集まって、仕事の打ち合わせをするそうです。
ただ雨季はさらに山の上に放牧に出かける人もいるので、みんなが集まるわけではないみたい。
アルパカを放牧させるだけの土地を確保するため、一軒一軒は500Mほど離れていてあたりまえ。
打ち合わせから山の向こうへ帰っていく女性。
これは集まるのはなかなか容易ではありません。
この村には、なるべくシンプルな商品を編んでもらうのがいいようです。。
細かいポイントがたくさんの商品だと伝わらなさそう。。
夜、ルシアさんは、糸を紡いでいました。
ロウソクの光に照らされた、ルシアさんを見ながら、私は彼女たちの田舎での生活と都市での生活を思いました。
欲しいものはすぐ手に入り、快適な生活をする一方で、大地からごっそり資源を削り取ったり、自然を汚したり、その上、心は満たされてなかったり、何か本当に大事なことを見失っていたり。
この土地では、温暖化で山からの水が少なくなり、草も生えなくなってきて、アルパカが飼えなくなってくるのではないかと、みんな心配しています。
アルパカが育つ環境がなければ、彼女たちはなんとか食べていけても、子供を学校に通わせたり、医療を受けたりできなくなってくるかもしれません。
温暖化をお金や技術でなんとかしのげるかもしれない先進国の人たちと、影響をそのままダイレクトに受け、生活が苦しくなっていくかもしれないここの人たち。
都会に暮らす私たちは、ここの人たちからいろいろなことを学んで、少しずつ生活を変えていけたらいいのではないか。。。そんなことを考えていたら、、いつのまにか眠りに落ちていました。
ちなみに、彼女が作っているサンプルはこれ。
かかととつま先がないアルパカ靴下です。なんという名前にしようかな?
まだまだ今回の訪問では、アルパカの毛を刈ったり、織りのつくり手を訪ねたり、、おもしろいハプニングがあったので、また今度続きを書きます。
この靴下のかたちは今流行のスパッツ「トレンカ」に似てますねー。レッグウォーマーとして足首でくしゅくしゅして履けたらかわいいと思います。更なるご活躍をお祈りいたします。
コメントありがとうございます。
PUENTEの品をお買い上げいいただき、ありがとうございます。
お使いいただいていかがでしたでしょうか?
トレンカ。教えてくれてありがとうございます。
調べてみましたら、確かに同じ形をしています。
私のリサーチ不足で、「つま先とかかとがない靴下」に命名しようかと思っていたところでした。
応援ありがとうございます。少しずつでもPUENTEが成長できるようやっていきたいと思います。
秋冬には展示会をやりますので、もしよろしかったらお越しください。
数年前とはだいぶデザインの幅も広がっています。