
現地リポートと言っておきながら、リマの空港で夜明かし中に、書き溜めたものをアップします。
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2000年から3年ごとに行われている農村地域で行われる現代アート展、大地の芸術祭が7月26日(日)〜9月13日(日)の間行われています。
このイベント、はまってしまう面白さです。
国内外からアーティストが現地の集落の人々とかかわり、その土地の固有性に向き合い、何かを作り出していきます。
新作、旧作合わせ300以上の作品が点在しています。
それは物体であったり、映像であったり、パフォーマンスであったり。
今年、第4回目大地の芸術祭を見たくて、出張の出発を遅らせ25日〜27日母とまた大学の友人たちと行ってきました。

「アート」だからみんなそれぞれの解釈をして楽しめばいいのです。

(お友達になった滝澤潔さんの作品)
意外性の連続。写真で載せてはお楽しみ感が減るので、これでも控えめに載せています。

ぜひ実際に体感してみてほしい。
イベントもたくさんです。
棚田の風景、河岸段丘、霧がかかった里山、、作品と作品を移動する間のドライブもまた楽しいのです。
そばはおいしいし(津南のとみざわさん最高)、お米はおいしいし(コシヒカリの本拠地)、温泉は最高にリラックスできます(松之山の温泉は三大薬湯)。
2000年のときに、ボランティア(こへび隊と呼ばれています)で関わらせてもらいました。
当時は学生だったので、準備期間の冬から夏、よく新潟に通っていて、私としては初めての農村地帯とのかかわりということもあり、
充実した日々を過ごさせてもらいました。
この当時知り合った地元の人たち、おなじボランティア仲間とは今でも大切な付き合いをしています。
2003年、2006年はボリビア&ペルーに滞在していた時間が長かったのでボランティアに参加することも芸術祭を見に行くこともできませんでしたが、落合家は姉も母も、大地の芸術祭をきっかけに、アートももちろんその新潟の自然が気に入って、期間中でなくても、春や秋に旅行に出かけているのです。
(私の母は今年は会期中5回もいろいろな友人を誘って行くそうです。)

(母です)
また、今年、自営業をいいことに勝手にゆるく仕事のスケジュールを組み、
2000年以来、こへび隊に復活し、作家さんたちのお手伝いをさせていただきました。

メキシコからの招待作家ペルラ・クラウセさんは作家さんの現地入りから制作のお手伝いを合計8日ほど、
フランスの招待作家クロード・レベックさんは作家さんが現地に入る前の古民家の片付けを2日ほどしました。

(レベックさんの作品)
ペルラとは思いのほか(最初は通訳で3日ぐらい、、なんて思っていたのですが)お手伝いの期間があったので、
空っぽの古民家がアート作品になっていく過程を見させてもらうことができました。

(製作途中)
大地の芸術祭の制作を請け負っているアートフロントギャラリーという会社の社員さんと作家と
宿も三省ハウスという小学校が生まれ変わってドミトリータイプの宿になったところで一緒、
温泉に行くのも一緒。寝食を共にし、製作中の悩みも一緒に考え、課題を一つ一つクリアし、形にしていく。
実に楽しい作業でした。
そしてその土地の人々との交流もまた大切な思い出。
今回は、

小荒戸という集落の人々の協力が、ペルラの一番の宝だと言っていたほど、みなさんがペルラと言葉は通じなくても、彼女を支えていました。
区長さんは特製看板を作ってくれたり、村の人との共同作業をまとめたりしてくれました。(私の住んでいるところでは、地域の人で何かをやるなんてことありません。)
家の周囲、人の畑のあぜ道にも作品の一部として黄色やオレンジの花を植えてありますが、
それも集落の方たちが植えてくれたもの。
トラックを出動させ土を運んで来てくれたり、
ある日、家の中で制作にペルラと二人没頭していたら、雨が降り出してきて、気がついたら近所の方たちが、その土が雨で流されないように移動してくれたり、、

隣の家の年配のご夫婦は、お昼の差し入れをくださり、
(私が東京に戻るときはとれたて自家栽培きゅうりをくださって)
きれいにお庭を作っている家のお母さんは、ドライフラワーで協力してくれたり、率先していろいろお手伝いしてくれたり、、、
家の管理をされている方に、手料理を家でご馳走になったり。
あと、人が住んでいた当初から壁をはがし、天井をはがして、今の状態の古民家状態までしたのは
もっと前に現地入りしていたこへび隊のみんな。
一つの作品に本当に多くの人が、関わって出来上がっていく。その連帯感が心地よいのです。
私は常に人と人のつながりにとても興味があるので、その点でもこの大地の芸術祭はとても魅力的。
このイベントがなければつながることは難しかった、集落の人とその土地以外の人が、お互いの生活スタイル、思考スタイルの違いに驚いたりもあるけれど、
一緒に汗流して、語り合って、何かを作り上げることで生まれる一体感。
出来上がったアートがどう捉えられるかは人それぞれですが、この出会いを作り出すアートってすごい力があるなあと思います。
追伸:
大地の芸術祭を体感する方法として、
旅の一日でも二日でもいいのでボランティア、こへび隊として関わることもおすすめです。
会期中も随時ボランティアを募集しているそうです。
2〜3週間ほど?香港からも団体でお手伝いに来ていたりと、
世代もいろいろ、職業もいろいろのおもしろい人たちが集まっていますよー。
(かなりの長文、失礼しましたー)