5月4日(日)。ボリビアの低地で農業、工業、天然ガス田で経済的にボリビアを引っ張っているサンタクルス県で、自治憲章の是非を問う県民投票があります。
この県民投票は、法に則って行われるものではなく、サンタクルス県の自治推進派が勝手に行う大規模な意識調査だと、政府は位置づけています。
一方、サンタクルス県の自治推進派(富裕層が多い)は高地の先住民出身のエボ・モラレス大統領の現政権になって作られた憲法改正条文(新憲法案は、先住民族の権利拡大、天然資源の責任ある活用、外国軍基地の設置禁止を盛り込むなど、新自由主義と対米従属から決別する内容)は、その成立の過程が違法であると反対し、県が求めていた自治権が条文に反映されていないので、県民投票で自治憲章の是非を問うと言っています。
サンタクルス県の自治推進派が提示している自治憲章案はどうやら、大地主が既得権益を守るものであったり、サンタクルスに住む先住民を排除する内容だという指摘もあるみたいです。
はずかしながら私は正確に現状を捉えられていないので、上手く今ボリビアで起っていることを説明できないのすが、下記のブログが参考になると思います。
外務省のボリビア情報
開発と権利のための行動センターのボリビア情報
私は、現政府とその反対派のどちらがどうとは言えないのですが、どんどんボリビア国内での分裂が広がっていきそうなことと、立場の弱い人達がさらに弱い立場になってしまうことにならないかと心配です。
ラパスで一緒に住んでいるボリビア人たちと話をしていたり、ラパスのつくり手たちと話をしていても、サンタクルスVSアンデス高地(ラパス、オルーロ、ポトシ)といった感じになってしまっている人達がいます。
ラパスのつくり手のところに水曜日に行ったら、ちょうど、5月4日にエルアルト(つくり手の地域を上っていくとエルアルトという先住民の人達が多く住む街があります)に終結して、サンタクルスの県民集会に反対するデモを行うので、みんな参加してくれ。という話が出ていました。私も来て欲しいと頼まれましたが、自分が現状をちゃんと把握できていないので、行けません。
同居人たちの中には、5月4日は何が起こるかわからない。2003年の大統領交代の前の混乱では、軍隊との衝突でラパスで死者が出たから、そのようなことにもなりかねない。家でじっとしている。とまで言っています。これは、全くもって行き過ぎな話しです。そう言った同居人は、サンタクルスの自治権獲得運動に反対なので、過度に反応してしまっている。こうやって不信感による悪いスパイラルが広がっている。
ベニ県出身の新たな同居人は(ベニ県は低地でサンタクルスと共に自治権を獲得したい地域)、
「2003年、自分はアチュマニ(ラパスの高級住宅地)に住んでいたけれど、山の上には沢山の「インディオ」(差別発言のにおいがあります)が武器を持って高級住宅地を狙っていたわ。5月4日はラパスのテレビ局で自治権獲得賛成のTシャツを着て応援する予定。」
と、言っています。
サンタクルスの富裕層が出資しているテレビ局の番組では、盛んに自治権を獲得しよう!というコマーシャルが流れていて、投票前の演説などの勢いにはメディアの力もあって、圧倒されるほどです。
(実際のサンタクルスはどんな感じなんだろう。)
周辺諸国が対立ではなく対話を呼びかけているけれど、それとは真逆な方向に行っています。
サンタクルスには、沢山のラパス、コチャバンバなどサンタクルスの一部の人が差別するアンデスの民が多く生活しています。彼らはどう思っているのだろうか。
5月4日の結果、そしてそれ以降の情勢も気になる。
私はラパスで仕事をしながら、4日を迎えたいと思います。
暴力的な行為がありませんように。
ちなみに、サンタクルスで、アヨレヨ語族のガラバタバッグを仕入れたかったのですが、いい品質のものが今ないとのこと。ざんねんです。
春夏商品の仕込みにサンタクルスに行きたいというのもありますが、今の情勢だと4日以降どうなるかわからないので予定が立たず、今回はサンタクルスには行けないかもしれません。
***自分の情報収集能力のなさで、偏った伝え方になっていたり、間違った情報もあるかもしれません。すみません。
その後話し合いが行われたのですが、結局政府は、改正する意思はなく、東部4県は政府に圧力をかけるため、自治権拡大、憲法改正反対で、住民投票が行われることになりました。双方、相手の憲法違反を叫ぶだけで進展がありません。
「あまりにも異常な内容」について知りたかったのですが。
ついに5月4日が来ますね。