そこで知人が紹介された。
ボリビアのコチャバンバという街で元シスターの野原昭子さんが、聖マルティンの家を運営している。
もともとのその施設の目的は、女性や子どもで手術をすれば直る症状の人たちの手術を世話(病院の紹介)し、その後のリハビリを施設に宿泊する形で行い、治ったら家に戻るというもの。
その施設の当初の目的以外にも、実際には脳性まひの子どもや寝たきりの子どもたちも受け入れることになり、狭い施設にベッドをつめて、子どもたちを看病していた。看病というか一緒に住んでいる。野原お母さんと子どもたちの大きな家のようだ。
今日のテレビでも言っていたけれど、しょうがいを持って生れた人を「罰を与えられた」という考えがまだある国。
野原さんの施設をうまく利用する大人もいて、連れてこられ、帰る先がない子どももいた。
私は一番最初にコチャバンバに暮らしていたので、時々会ったり、物や預かったお金を届けたりしていた。
施設に行くと、体はまだ2歳ぐらいなのに、実際には7歳という女の子と夜は自分のベッドで寝ているという。夜中でも寝返りを打たせなければいけないといい、まさに24時間、介護を必要とする人たちと向き合っている。彼女の小さな体のどこからそのパワーが出てくるのか。ただただ圧倒される。
ボリビア政府からの援助なしに運営している施設なので、医学療法士や調理担当、看護士さん、スタッフ、全て野原さんが集めたお金でまかなっている。
いつも運営面では大変そうだけれど、それを笑顔で「もうだめかも。といつも思うが、神様にお祈りをしていると、どこからか助けが来る」と言っていた。
いよいよお金がない!となると子どもたちが作ったカードや手作りのものを日本に持って帰って、教会等のバザーで売ったりするそうだ。
野原さんのお姉さんを中心にエルピス会という特定非営利活動法人があり、野原さんを支えている。
http://members2.jcom.home.ne.jp/erupisu-kai/top.html
また、「学び舎づくりの会」というボランティアグループでも応援をしている。
http://www.abc-manabiya.org/
しかし、それらは寄付金や助成金など善意でなりたっているバックアップで、持続的な運営を保障するものではない。
ボリビア政府がしょうがいを持っている人々への政策を充実させていく必要は絶対あるけれど、政府の少ない予算で教育、保健医療の充実はすぐには難しいだろうし。
どうにかならないものかな。
野原さんは今50歳。どうか長く続けられるよう体に気をつけて欲しい。
今回のテレビ放映で、野原さんの笑顔が見れてよかった。
これで少しでも聖マルティンの家に応援が届くといいな。